明けない夜はない

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朝霞中学生不明事件、容疑者の所在、量刑は?

朝霞市女子中学生行方不明事件、無事保護

 埼玉県朝霞市で平成26年(2014年)3月から行方不明となり捜索されていた女子中学生が、平成28年3月27日午後、東京都中野区東中野で無事保護されました。この女子中学生は、男に誘拐され、監禁されていたといい、男が外出した隙に男の自宅から逃げ出してきたということです。

 助けを求め、東中野駅の公衆電話から母親、警察に連絡したところ、警察官により無事保護されました。

(参考:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160327-00000014-asahi-soci

 

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 2年という長く、そして中学校生活の大半が奪われてしまい、被害者本人にとっては大きな被害を被りましたが、何とか無事に保護されて本当に良かったです。

 

当サイトでは、被害者である女子中学生の氏名等の個人情報は掲載いたしません。被害者本人、ご家族、朝霞市の地域の方々が行方不明となっていた被害者の女子中学生を必死で捜索していました。被害者の方の今後の生活を考慮すると、なるべくそっとしてあげるべきと考えます。

 

千葉大学工学部情報画像学科を今年卒業した容疑者。病院は?

 埼玉県警は、女子中学生を誘拐したとして寺内樺風(てらうちかぶ)容疑者を指名手配、平成28年3月28日未明に、静岡県伊東市内で血だらけの男が歩いているとの通報を受け、警察官が駆け付けたところ、首から血を流している寺内樺風(てらうちかぶ)容疑者を発見。身柄確保されました。今年、容疑者は千葉大学工学部情報画像学科を卒業していたようです。

 男の供述によると、「自殺しようとカッターで切った」と話しており、現在、伊豆の国市の病院で治療を受けているようです。

寺内樺風(てらうちかぶ)容疑者は、静岡県伊豆の国市の順天堂大学医学部付属静岡病院にいるようです。回復を待って逮捕する方針です。

(参考:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160328-00000509-san-soci

 

www.hosp-shizuoka.juntendo.ac.jp

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寺内樺風(てらうちかぶ)容疑者の量刑はどうなるか

 今までの被害者の証言、容疑者の供述等から、以下の事実が認められそうです。

 容疑者は、2年前に被害者を誘拐、その後どうやら成田市にある容疑者の自宅に監禁していたようです。先月、現在の容疑者の自宅である中野区に引っ越してきたようです。

 

 あくまでもこれだけの事実を前提にすれば、未成年者誘拐罪(刑法224条)、監禁罪(刑法220条)の2罪が成立すると考えられます。法定刑は、それぞれ未成年者誘拐罪は『3月以上7年以下の懲役』、監禁罪は、『3年以上7年以下の懲役』です。本事件では、被害者は誘拐された後、監禁されていますので、併合罪(刑法45条)として科刑上処理されます。

 併合罪は確定判決を経ていない2つ以上の罪を処理するときに適用され、重い罪の長期の2分の1が加重されます。したがって、監禁罪の法が未成年者誘拐罪より短期が長いため、監禁罪の法定刑『3年以上7年以下の懲役』の長期である『7年』の2分の1である3年6月が長期に加重されます。

 

 したがって、本事件が未成年者誘拐罪、監禁罪で起訴され、有罪の場合は、量刑は『3年以上10年6月以下の懲役』から選択されることとなります。

 

 有名な、未成年者誘拐、監禁の事案(新潟少女監禁事件)では、当時9歳だった少女を、監禁、その後約9年以上の間監禁した事案で、未成年者誘拐、逮捕監禁致傷、窃盗の容疑で懲役14年が確定しています。新潟の事件は、逮捕監禁致傷で本件より事案の性質が重いこと、9年という長期にわたって、幼い9歳の少女を監禁していたこと、別の少女に対する強制わいせつ未遂での執行猶予期間中であったことを考慮すれば、本件事案よりも新潟の事件の方が悪質です。

新潟少女監禁事件 - Wikipedia

 

 本事件と比較すれば相当悪質な新潟の事案で、懲役14年ということを考慮すれば、あくまでも今後の捜査によりますが、寺内樺風(てらうちかぶ)容疑者には『懲役5年から7年程度』の量刑が予想されます。

 但し、誘拐時に弁護士を名乗り車で連れ去っていること、監禁期間が2年と比較的長期に及んでいること、被害者が女子中学生であり、抵抗するのが難しいものを拐取していること、被害者の家族に、自主的な家出と見せかける手紙を被害者に書かせており、誘拐自体の発覚も免れようと偽装していることなどを考慮すれば、容疑者に家庭環境等の面で情状酌量の余地があったとしても、有罪となればより重い判決となる可能性も考えられます。

 

 量刑を過去の判例と比較して安易に導き出すことは、法的安定性という要請があるにしても、個人的には反対です。しかし、現在の日本の司法の現状をかんがみ、量刑を予測しました。

 

※今後の捜査によって、仮に、容疑者にわいせつ目的があれば、わいせつ目的誘拐罪が未成年者誘拐罪に代わって成立する可能性があり、わいせつ行為等があれば、強制わいせつ罪等の犯罪が成立する可能性があり、量刑が大きく変わる可能性があります。

 

子どもを地域で守ろう

 命が奪われなかったことは、不幸中の幸いです。被害を受けた女子中学生が、少しでも失われた時間を取り戻せるように、家族や友人との日常生活を一日でも早く過ごせることを願ってやみません。地域社会が子どもの安全を守っていけるようにしていきたいですね、つながりが希薄になったといわれる今日でも。

 

 寺内樺風(てらうちかぶ)容疑者に対しては、犯行が事実であるとするならば、厳罰に値すると考えます。抵抗できない女子中学生を、2年にもわたる長期間大切な中学生活を奪った罪は、重いと思います。自殺をするつもりだったと供述する容疑者ですが、カッターで首を切ろうとしていたということから、本気で死のうとは思っていなかったのではないでしょうか。